●裏の世界と住人の生活



裏の世界について
名称こそ裏の世界だが、決して異世界や異空間などではない。
表の世界と同じ場所にある、同じ地球上に存在している場所のこと。
路地裏、廃墟、シャッター街、ゴーストタウン、ゴミ捨て場、下水道、洞窟など、表の世界からみれば『日陰的な』場所が裏の世界。一つの大きな空間ではなく、表の世界のあちらこちらに点在している。
裏の世界の住人達はそこに(表の世界で言えば無法的に)住み着き、自分の住む場所を作り、町のようなものを形成している。


コミュニティ
王様やリーダーというものは存在せず、警察などといった組織もなく、法律もない。
完全に放任、完全に自由、完全に野放し、好き勝手。
どいつもこいつも、責任とか義務とかが大嫌いなのである。とはいえ、慕われている兄貴分や、人気者のアイドルなんかは存在している。
かといって殺伐とした犯罪だらけの無法地帯ではなく、いい意味で互いに干渉しすぎないのが裏の世界の住人の関係性だ。
表の世界では上手く生きていけない者同士、隣人のような不思議な絆がそこにはある。明らかに皆にとって害になるようなことが起きれば協力もすし、ケンカしたりもする。
また、裏の世界は各地に存在している。その場所によって雰囲気やカラーが異なっている場合もあるだろう。GMは好きなように裏の世界を作成してよい。壊れた人工知能が統制している裏の世界もあるかもしれないし、古代めいた場所、中世めいた場所から、近未来めいた場所までなんでもありだ。


経済
貨幣は表の世界のものだったり、宝石だったり金塊だったり、価値のありそうなものだったり。物々交換とないまぜになっている。そのような『取引きや交渉』に使用できるモノを、『クレジット』と呼称する。
クレジットは、表の世界からくすねてきたり、がらくたの山から拾ってきたり、誰かの手伝いをした報酬で貰えたり、取引きをすることで手に入る。


技術
舞台こそPLにとっての現代世界だが、技術に関してはなんでもありである。魔法も科学もオーバーに発達していてもよい。
ニンジャからサイボーグからクローンまで。もちろん、バイオサイボーグクローンニンジャもありだ。


住人
誰も彼も、なにかしら理由があって表の世界では上手く生きていけない存在ゆえに、裏世界で生きている。
例えば……
 ・表の世界のなにもかもが嫌になり、全て捨てて裏世界にやって来た。
 ・表の世界では迫害対象であり、裏の世界へ追放された。
 ・価値観や思想、あらゆる倫理が表の世界では理解されず、息苦しい生活をしていた。
……などなど。
仕事というものをやっている者もいるが、ほとんどの住人が自由気ままに日がな一日を過ごしている。中には表の世界で働いているという奇天烈な存在もいる。
住『人』と表記したが裏の世界には人間だけでなく、モンスターやケモノ、ロボットやオバケ、はては宇宙人や天使悪魔といったものまで存在している。意思疎通や言語に問題はない。


表の世界について
基本的にPLの世界と全く同一。であるが、時代などはGMが好きに指定しても構わない。時代劇から近未来、石器時代まで自由自在だ。
表の世界の人々の、裏の世界の認知度については、基本的には知られておらず噂程度――それこそ都市伝説扱いである。
路地裏や廃墟には危険だから近寄らないように……表の世界の子供たちはそう言い聞かされている。
表の世界のインターネットには様々な情報が真実と虚実が入り雑じって掲載されており、それがより裏の世界のオカルトな雰囲気を醸し出す一因となっている。


推奨されない行為
いかに無法地帯・無秩序の裏の世界といえど、裏の世界の住人全体に危険が及ぶような行為――いきすぎた無差別大量殺人、大規模な破壊行為――は推奨されない。そのような行為をする者は、裏の世界の住人が結託して対処する。
対処とは:肉体言語から説得まで色々である。基本的に排除や追放はしない。分かり合おうとする。


オマケ 〜世界観色々〜
・裏の世界で生まれ育った者については、気まぐれに住人が読み書きを教えたりしている。青空学級めいたものが存在していたり。
・時折、不法占拠などを理由に表の世界の者が裏の世界を取り壊そうとしてくることがある。
 その時には裏の世界と表の世界で大きな戦いが起きる。物理的な意味でも、情報戦的な意味でも、超常的な意味でも。
・住人の死後について。手厚く埋葬される場合から、パーツを切り売りされる場合まで様々。なんやかんやで復活する場合も。
・文化について。ものすごくチャンポン。宇宙人とネコが哲学について語り合ったりしている。
・宗教について。これもまたものすごくチャンポンで雑多。
・能力値パラノーマルの値がマイナスでもオバケが見えるかどうかの設定はPL次第。
 シーンごとに目標値2か3を上回るパラノーマル判定を行って、見える・見えないを決めるのもいいかもしれない。