▼マナシキ


「そう、まるで、グレゴール・ザムザのようだ」

<有様>
 ある日、目覚めた時、自分が見知らぬ場所にいることに気付いた。
 気がついたら、そう、無意識の内だろうか、裏世界と呼ばれる場所にいたのだ。
 何も思い出せず、何も覚えていない。どうしてここにいるのだろう?
 帰る場所も思い出せない、どこに行けばいいのかも分からない、全てが分からない。
 仕方がない、どこにも行けないので、ここにいることにした。

<解説>
 気が付いたら、あるいは無意識の内に、裏の世界にいた存在。
 迷子になってしまった表の世界の人間の、哀れな成れの果てという説もある。
 どういうわけで裏の世界にやってきたのか覚えておらず、分からない。記憶喪失の部類もマナシキになる。
 記憶を保持しているが、裏の世界に来た理由が分からない・覚えていない者もマナシキとなる。
 白紙ゆえに常識とはズレていたり、超常現象に無反応だったり。

<能力値補正>
・クレイジー :1
・バイオレンス:0
・パラノーマル:-1

▽スキル

★ポジティブスキル
【タブラ・ラーサ】
 1シナリオに三回まで、戦闘を含む判定の際、好きな能力値で判定を行うことができる。
『白紙ということは、なんでも書き込めるということだ』

【失敗は成功の母】
 戦闘以外の判定に失敗した時、次の自分の判定で一度だけ差分1の有利な修正が加えられる。
『次に上手くやればいい、終わりよければ全てよし』

【我思う、ゆえに我あり】
 自身の存在確認、それに伴う決意。1シナリオに1度だけ、自身のヤルキを1d6+3回復する。戦闘においては手番を消費せず、ヤルキが0の時以外のいつでも使用できる。
『“自分はなぜここにあるのか”と考えること自体が、自分が存在する証明である』

【先達の知恵】
 戦闘以外の判定において、判定に成功した仲間がいた場合、自分の判定に差分1の有利な修正が加えられる。
『なるほどそうすればいいのか』


☆ネガティブスキル
【無反応】
 回復アイテムによる回復量が常に-1d6される。全快系アイテムの場合は、全快した状態からヤルキを1d6減らすこと。ただし回復前のヤルキ以下にはならない。
『THE無味無臭』

【なんだこれは?】
 アイテムを使用する場合、目標値3を下回るクレイジー判定を行わなければならない。失敗した場合、そのアイテムは破壊される。
『記憶がないから、手にした“これ”の使い方が分からない。そもそも“これ”が何なのかも分からない』

【薄氷上の楽園】
 仲間PCと良いRPを行った場合、GMは任意のタイミングで【薄氷上の楽園】所有PCに対して目標値3を下回るクレイジー判定を要求する。判定に失敗した場合、キアイが0になる。
『いつかこの楽しい記憶も消えてしまうんじゃないだろうか? あなたには、そんな不安が常につきまとう』

【純真無垢】
 判定失敗によるペナルティでヤルキが減少する際、追加でヤルキが-1減少する。
『ショックなことを真に受けすぎてしまう。まっさらゆえに、回避方法が分からない』