『LITTLE HAPPINESS』

PC数:2人 ※GM兼任PLを強く推奨。
所要時間:オンセで3〜4時間程度


<シナリオ概要>

 PC二人は表の世界へおデートに出かけることになった。
 表の世界の人間に怪しまれないように、見た目を普通にする魔法をかける。
 この魔法は夕方になって日が沈みきると解けてしまうので、それまでに裏の世界に帰ること。
 一通りデートを楽しんで裏の世界に帰ればシナリオクリア。



<オープニング>

 裏の世界。表の世界から紛れて来たのだろう雑誌を見て、PC二人は表の世界にちょっとデートに行こう、という話になったのだ。
 その雑誌に書いてあったのは、表の世界のデートコースだった。賑やかな広場を通り、美味しいジェラートを食べて、今がシーズン真っ盛りな花園へ向かい、オシャレな喫茶店でパンケーキを味わい、丘の上の公園から夕日を見る……というもの。

 そういう訳で、PC二人は裏の世界の噴水広場で待ち合わせをしている。

※デート内容については、片方のPCには伏せていても構わない。サプライズ的な感じ。

 一通り待ち合わせにやってきたRPをして貰ったところで、表の世界に出発……となったのだがその前に。
 表の世界では、異形な外見は受け入れられない。なので、『普通の人間の見た目』になる必要がある。
 そこで、PC達は噴水の水を飲まなければならない。この噴水の水は魔法の水で、飲んだら『見た目が普通の人間になる』魔法がかかるのだ。
 見た目が迷彩のように変わるだけなので、能力が変質することはない。
 ただこの魔法は、夕方になって日が沈むと解けてしまう。
 なので魔法が解ける前に裏の世界に帰ってこなくてはならない。

※PC両名とも見た目が普通の人間なら魔法をかける下りはすっとばしてOK。

 魔法で変身したら、いざ表の世界へ出発。



<ミドル>

▼シーン1
 暗い路地裏を抜け、辿り着いたのは表の世界の賑やかな広場。
 風船売りの道化が君達に微笑み、風船をサービスしてくれる。
 周囲は賑やかで、眩しくて、芝生はキラキラ煌いて、空はどこまでも青い。世界はとてもカラフルで、楽しさと幸せに満ちていた。
 さっき裏で見かけたものとは大違いな、綺麗で大きな噴水もある。

 一通り反応してもらったところで、PC達はジェラートの屋台を発見。
 好きな味を注文できる。
 さくさく爽やか、とってもおいしいジェラートだ。
 だが美味しいからといってがっつくと頭がキーンとなってしまう。
 さぁ、頭がキーンとならずにゆっくり食べることができるかな?

判定者:全員
目標値:クレイジー判定3以下
成功:美味しく食べることができた! ごちそうさま。
失敗:美味しい。ヤバイ。ついついがっついてしまい頭がキーン。(数値的なペナルティはない)

 ほどなくして二人は看板を目にする。
「花の回廊開催中 →すぐ」
 訪れる予定の花園の案内看板だ。それに従って歩き始めたらシーンエンド。


▼シーン2
 花園に到着。
 色とりどり、様々な種類の花々が辺り一面に咲き誇っている。蝶が優雅に飛び交っている。花の甘い香り。
 そこは花垣で迷路のようになっていた。花を楽しみながら迷路を解く、というものだ。
 この迷路はただゴールするだけのものではなく、『たからもの』が隠されているようだが……?

判定者:全員(一人でも成功すればクリア)
目標値:バイオレンス判定3以下
成功:おたからを発見! 二人でおそろいの薔薇のブローチを貰った。
失敗:残念、おたからは見つけられなかった。(数値的なペナルティはない)

 一通り花の中で楽しむと、ゴールが見えた。
 花の迷路を出たらシーンエンド。


▼シーン3
 花の迷路を抜けた頃には、PC達は小腹が空いているのを感じていた。
 オシャレに整えられた町をしばし歩けば、お目当ての喫茶店が見えてくる。
 席に案内されれば、窓から町の景色が見えた。
 昼下がり、まどろむような穏やかな時間、雲が止まった空……。

 さて注文タイムだが。
 メニューがオシャレすぎてなんだか呪文のようにしか見えない!
 君たちはこの呪文を解読できるか!

判定者:全員
目標値:パラノーマル判定3以下
成功:自分が食べたいものを注文できた!
失敗:注文してみるも、思ってたのと違うやつがきた!(数値的なペナルティはない)

 それぞれパンケーキが運ばれてくる。
 判定に失敗しても、美味しいやつである。
 ちなみに店の中にはデートにきている若い男女がたくさんいる。誰も彼も幸せそうだ。

 一通りもぐもぐRPをしてもらった所で、そろそろ夕方に近い時間となる。
 お店から出たらシーンエンド。


▼シーン4
 昼下がりの町を行けば、空は少しずつ黄色と赤を帯びてきた。太陽はすっかり傾き始めている。
 帰路に就く人々が傾いた日に長い影を伸ばしている。

 まもなく丘の公園に到着。
 そこからは町が一望できる。昼間に訪れた広場や、花園や、それから建物に隠れているが裏の世界も。
 空は真っ赤な夕焼け。町に日が沈む……。

 ちなみにこの公園、夕暮れに告白をすると、そのカップルは幸せに結ばれるなんて噂があったりする。

 一通りRPをしたところで、二人は魔法が解ける前に、裏の世界へ戻ることに。



<クライマックス>

 というわけで踵を返した二人だったが。
 わんわん。
 そこへ、飼い主さんのリードを振りはらったのか、大きなワンコが猛ダッシュしてくる!(首輪とリードつき)
 ものっそいテンション高い。どうやら君達に遊んで欲しいみたいだ。
 ここはしこたま遊んで満足させねば……。

 ワンコとの戦闘(遊び)。
 戦闘ルールを用いるが、内容としては『ワンコがクタクタになるまで遊びつくす』である。
 ワンコの『ヤルキ』は『ゲンキ』として扱う。
 攻撃:ワンコと遊ぶ。攻撃が成功すればワンコの『ゲンキ』を減らすことができる。
 攻撃や反撃を食らう:ワンコに「もっと遊んで!」とじゃれ倒されて疲れてしまう。

【ワンコ】
ゲンキ:10
クレイジー :2
バイオレンス:3
パラノーマル:-3
特殊:
・スキル【既にテンションが凄すぎるのでちょっとずつ疲れていくのだワン】
 自分の手番が終わると、ゲンキが1減る。

・解説
 大型犬。でかいいぬ。めっちゃひとなつこすぎるがいかんせんフルパワーすぎる。

 ワンコのゲンキが0になるか、PCが全滅すれば以下の描写。

「すいません〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!」
 大慌てで飼い主さんが駆けて来る。「申し訳ない」とPC達に何度も謝りつつ、「急に走り出したらだめだろ!」とワンコを叱っている。
 ワンコとお別れしたら、PC達はいよいよ裏の世界へ帰り始める。もうすぐ日が完全に沈んでしまうから、ダッシュせねば……。



<エンディング>

 ダッシュで裏の世界に帰ってきたPC達。ぜぇはぁ息が上がっているのではないだろうか。
 路地裏についた直後、完全に日が沈んで魔法が解ける。
 PC達が裏の世界の、自分のねぐらへ進み始めたらシーンエンド。