『Catch The Rainbow』

PC数:2〜5人
所要時間:オンセで3〜4時間程度


<シナリオ概要>
 路地裏から見えた虹。
 PC達は虹のふもとを見に行くことになり、虹を目指して歩き始める。


<オープニング>

 裏の世界に通り雨が降った。
 PC達に一通り、「通り雨に降られた」ことによるリアクションをしてもらう。
 一段落の後、雨はあがり、空に大きな大きな虹が見える。
 ここからNPCを使うなどして、PCが虹へと進み出すよう誘導。「虹のふもとを見に行こう!」と走り出すモブなどを描写。
「君達も見に行かないの?」
「虹のふもとには財宝が埋まっているらしい」
「知らないの? 虹には追い付けるんだよ?」
「ふもとに追い付けた人は超ラッキー!」
「早く追いかけなくちゃ! 虹を煮詰めたキャンディも売られてるはず……あれ美味しいんだよなぁ」
「疑うなら行ってみてごらんよ、どうせ暇なんだろ?」
「しょうがないなぁ、途中まで案内してやるから(動かないPCに魔法をかけてぶっ飛ばす)」
 などなど。
 全員が虹を追い始めればシーンエンド。



<ミドル>

▼シーン1
 雨がたくさん降ったので路地裏は一面水びたしだ。足首まで水がある。
 表の世界から流れてくる汚い水の部分は避けて通りたいところ……。

判定対象:全員。
目標:クレイジー判定で3以下。
成功:汚い部分は避けて通ることができた。目標値を3以上下回れたPCはクレジット1を発見して入手できる。
失敗:カッとなって汚い所へ衝動的にドーン。ヤルキ-1。


▼シーン2
 辺りは先ほどの雨ですっかり水没して、まるで湖か海のようになっている。
 傍らにはどこからか流れ着いたボートがある。
 このボートは、魔力を込めれば動くようだ。

判定対象:全員。(一人でも成功すればクリア)
目標:パラノーマル判定で4以上。
成功:ボートに魔力を込めることができた! これに乗って先に進めそうだ。
失敗:なんとか魔力はこめられたが、とっても疲れた……。ヤルキ-1。

 水から突き出した灰色の廃墟。水の透明度はあまり高くはない。鏡のように虹が映った水面を、一同は魔法のボートで虹に向かう。


▼シーン3
 水面からぬっくと突き出していたのは古びた信号機だった。
 だがこれは、灯った色通りに見た者を動かす都市伝説の信号機だ!

判定対象:全員。
目標:パラノーマル判定で3以下。
成功:信号の灯りを無視することができた。
失敗:青色の光に操られて進んでしまう。水の中にドボン。ヤルキ-1。


▼シーン4
 迷路のように入り組んだ水路に辿り着いた。虹に向かうにはここを抜けていかねば……。
 正々堂々と迷路を解くか、突拍子もない手段で乗り越えるか、さてどうしよう?

判定対象:全員。(一人でも成功すればOK)
目標:バイオレンス判定で2以下 or クレイジー判定で4以上
成功:
・バイオレンス判定で成功
 正々堂々と迷路を解いて、水路を突破した!

・クレイジー判定で成功
 ボートのエンジンを叩くと、エネルギーにしていた魔力が大暴走! 空を飛ぶボート! 一気に迷路を突破!

失敗:水路でかなり迷ってしまった……。ヤルキ-1。


▼シーン5
 一隻のボートが甘い香りと共に近付いてくる。そこには露店商が乗っていた。彼は虹を煮詰めたキャンディを法外な値段で売りつけてくる。

判定対象:全員。(一人でも成功すればOK)
目標:クレイジー判定で3以下 or バイオレンス判定で4以上。
成功:
 露天商を常識的に指摘したorバイオレンスに脅迫した。
 謝罪として以下のアイテムを全員入手。
【虹のキャンディ】
 クレジット:1
 虹を煮詰めて作られた、虹色の甘い飴。七色の味がする。
 使用するとキアイが全快する。自分か、仲間PC一人に対して使用することができる。
 使い捨て。

失敗:
 法外な値段でキャンディを売りつけられる。全員のクレジットが0になる。
 【虹のキャンディ】を全員入手。

 成否に関わらずアイテム売買が行える。


▼シーン6
 切り立った岩場に人魚がいる。
 だが彼女はグッタリしている。空腹のようだ。
 彼女にアイテムを渡すと、それを食べて回復する。
 アイテムは何でも食べる。食べ物系でなくてもOK。

 アイテムを渡せば、おなかがいっぱいになった人魚はお礼歌を歌ってくれる。
 心地よい歌声にキアイ1回復。この回復は、このシナリオ内でのみ上限を突破する。

 渡さない場合はそのまま人魚をスルーして進むこととなる。

 さぁ、虹は近い。さっきよりも大きく見えているのだから。



<クライマックス>

 長い水辺は終わり、君達はボートから降りる。
 虹の方向へ歩いていると、開けた場所に出た。
 だが君達は気が付く。君達が歩いた分だけ、虹が遠ざかっていることに。
 こうなったら、虹が遠ざかるよりも早く走って虹に追いつかねば!

 虹との競争になる。
 虹のヤルキは『キョリ』として扱う。
 ダメージを与える=虹との距離を詰める
 ダメージを与えられる=虹との距離を詰められず疲れてしまう
 という扱いとなる。

 また、5ターン以内に虹のキョリを0にしないと、虹は消えてしまう。

【虹】
キョリ:18
クレイジー :1
バイオレンス:-3
パラノーマル:4
特殊:
・スキル【スペクトルダッシュ】
 自分の手番で攻撃が成功したら、キョリをダメージ分回復。

・解説
 虹。赤から紫までの光のスペクトルが並んだ、円弧状の光である。気象現象の中でも、大気光学現象に含まれる。
 太陽の光が、空気中の水滴によって屈折、反射されるときに、水滴がプリズムの役割をするため、光が分解されて、複数色の帯に見える。

 虹のキョリが0になるか、5ターン経過してしまうか、全てのPCのヤルキが0になればエンディングへ。



<エンディング>

>虹のキョリを0にした
 遂に君達は虹のふもとに辿り着いた。
 虹も観念したのか、もう逃げる素振りも見せない。
 目の前に辿り着いた虹は、まるで途方もなく大きな架け橋だ。そして、それは渡ることができる。
 虹を渡ると元の場所に帰ることができる。
 虹が消える前に元の場所に帰るといいだろう。通り雨による水没も乾き始めている。
 PC達が虹を渡ってもとの場所に帰れば、シナリオエンド。

>虹のキョリを0にできなかった
 虹は消えてしまう……。
 だがその代わり、雨上がりの晴れ渡った空の、真っ赤な綺麗な夕暮れが。